コンテンツにスキップ

移動平均線(Lv.1)

このレッスンの位置づけ

難易度 レベル1。移動平均線は「一定期間の平均を線にしてトレンドを一目で読む」トレンド系指標の基本。多くの上位指標(MACD・大循環分析・グランビルの法則)がこの延長線上にあるため、土台として早期に学ぶ。
※定義・期間の数値・計算式・シグナルは資料の原文どおり。一般知識での補完はしていない。資料に無いものは「資料に記載なし」と明記した。

前提知識

移動平均線を使う前提は ローソク足(終値) の理解。移動平均線は終値の平均を結んだ折れ線であり、ローソク足に絡むように描かれる。これを土台に、MACD・大循環分析・グランビルの法則へ発展する。


0. 特徴(ひとことで)

一定期間の価格(通常は終値)の平均を結んだ線。相場のトレンドを一目で読み取れるため、初心者にも扱いやすい。ただし 「株価が上がる=移動平均線が上がる」ではない(下記3章)。


1. 定義・計算方法

出典:slides_2026-06-26T14-22-11.pdf / テクニカル講座 / マネースクール文字起こし

移動平均線とは、一定期間の価格(通常は終値)の平均を結んだ折れ線グラフ。

3つの種類

種類 計算・特徴 反応の速さ
単純移動平均線(SMA / MA) 一定期間の価格の平均値を出して結んだもの。例:「5日移動平均線」=直近5日間の終値を合計して5で割った値をつなげる ゆっくり
指数平滑移動平均線(EMA) SMAの弱点(計算期間を過ぎたデータが外れる)を補う。前日EMAに(n-1)を掛けた値と、当日終値を2倍した値を合計し、(n+1)で割る=前日EMAと当日終値から計算 中くらい
加重移動平均線(WMA) 直近の価格ほど重みをかける。SMAより直近の変動への感応度が高い 早い

感応度・追従性の順序

直近価格への比重は EMA > WMA。トレンドへの追従性・感応度は WMA > EMA > SMA の順。EMA・WMAはSMAより値動きに敏感で、売買シグナルが早く出やすい。
テクニカル講座 では「WMAはローソク足の動きにかなり近づくため使い所が少ないかも」との注記あり。


2. よく使う期間の数値

出典:slides_2026-06-26T13-20-40.pdf / slides_2026-06-26T14-23-39.pdf / テクニカル講座

期間の決まりはない

平均を取る期間に決まりは ない。ただし多くのトレーダー・投資家が使う期間ほど機能しやすい(相場はより多くの投資家の心理と行動を反映して動くため)。

時間軸別のメジャーな設定

短期 中期 長期
日足 3日・5日・6日・10日・12日
(Put買いなら2〜5日線・10日線)
20日・25日・50日・75日・89日 100日・144日・200日・233日
週足 13週(3か月) 26週(半年) 52週(1年)
月足 12ヵ月(1年) 24ヵ月(2年) 36ヵ月(3年)

移動平均線大循環分析(3本使用時)

期間 特徴
短期日足 5日・10日・25日 短期決戦向き
中期日足 10日・25日・50日 バランスが良い(オプション向き)
中長期週足 13週・26週・52週 かなり長い目線
長期月足 12ヵ月・24ヵ月・36ヵ月 年単位のすごく長い目線

米国株(オプション取引での推奨)

  • 一般的には「短期線:25日線/中長期線:75日線」だが、米国株オプションでは当てはまらないことも多い
  • 個人的推奨:10日線(短期)と50日線(中期)のペア。より短期なら5日線と10日線のペア(一般論では5日線と20日線を使うケースもある)
  • 3本のSMAを使うなら 10日線・50日線・200日線 の組み合わせを推奨
  • 50日線・200日線 は常に表示させたいオススメの線(50日線=最近の値動きを反映しトレンドをつかむのに便利/200日線=その銘柄の適正価格「民意」を反映しやすく、底値としてタッチ・反発することが多い)

3. ゴールデンクロス・デッドクロスと並び順

出典:slides_2026-06-26T14-22-11.pdf / slides_2026-06-26T14-23-39.pdf / マネースクール文字起こし

クロスの定義

  • ゴールデンクロス … 短期移動平均線が中・長期移動平均線を「下から上へ」突き抜ける。上昇トレンド開始のサイン=買いシグナル
  • デッドクロス … 短期移動平均線が中・長期移動平均線を「上から下へ」突き抜ける。下降トレンド開始のサイン=売りシグナル

クロスの角度と方向性(信頼度①〜⑤:高→低)

短期線と中期線のクロスは、その形で転換の信頼度が変わる。

信頼度 短期線 中期線
① 高 上向き 上向き(※①が基準。中期も短期も上目線で信頼性が高い)
上向き 横ばい
上向き 下向き
横ばい 下向き
⑤ 低 下向き 下向き

並び順の読み方

  • 買い継続 … 上から ローソク足 > 短期線 > 長期線 の順に並び、全て上昇トレンド
  • 売り継続 … 上から 長期線 > 短期線 > ローソク足 の順に並び、全て下落トレンド

「パーフェクトオーダー」という用語について

移動平均線の並び順の名称としての「パーフェクトオーダー」は 資料に記載なし(文字起こし内ではMACDとストキャスティクスのWゴールデンクロスの文脈でのみ登場)。


4. ダマシの注意点・判断を誤りやすい点

出典:slides_2026-06-26T14-23-39.pdf / テクニカル講座 / マネースクール文字起こし

「株価が上がる=移動平均線が上がる」ではない

移動平均線はあくまで平均値。5日移動平均線なら、2日間株価が上昇していても5日前より価格が低ければ平均値は下がり、線は上昇しない。移動平均線のにローソク足がある期間は、その期間の多くの人が損をしていると言える(平均値まで戻ると利確する人が多く、線が壁になる)。

クロスの角度によるダマシ

交差する角度が浅いクロスはダマシの可能性に注意。深いクロスは本物だと期待できる。

レンジ相場での往復ビンタ

25日線と50日線のクロスが早い=方向感がない(=レンジ)。この状況で25・50日線のデッドクロス・ゴールデンクロスで売買すると、売買が遅れて最悪の結果(むしろ損をする)になりかねない。

事前の察知と総合的な判断

50日線・200日線の2本がクロスするには時間がかかる。先に察知するには10日線と50日線のクロスを先に見ておく。また、チャートが200日線をどう超えるかなど、総合的な判断が必要。


5. 組み合わせるべき指標

出典:slides_2026-06-26T14-31-40.pdf / slides_2026-06-26T14-38-10.pdf / テクニカル講座

系統の違う手法を組み合わせると多角的に分析できる。

組み合わせ 使い方
MACD 移動平均線(SMA)で長期トレンド(「エントリーしてよい局面か?」)を分析、MACDで短期トレンドの変化・勢い・モメンタム(「エントリータイミング」)を捉える
RSI 移動平均線でトレンドをつかみ、RSIで押し目買い・戻り売り。普通は難しい逆張り的タイミングをより正確につかむ
ローソク足・ボリンジャーバンド 等 メジャーな指標を使うことで市場全体の意識を探る

6. 取引手法の一例

出典:slides_2026-06-26T15-24-24.pdf / slides_2026-06-26T14-28-56.pdf

実践の基本(日足で流れを捉える)

初心者のうちは、50日線より高ければ「割高」、安ければ「割安」 と考える。

① 短期売買×移動平均線(メタ・プラットフォームズの上昇トレンドの例)

  1. デッドクロスした日(2024/8/26)の始値 526ドルに対し 5%安値の500ドル(指値) で買い設定(もしくはデッドクロスした日のサポートラインの価格×1.01で買い設定)
  2. 2024/9/6 に 500ドルで約定
  3. ゴールデンクロスした日(2024/9/13)の始値 519ドルに対し 5%高値の544ドル(指値) で売り設定
  4. 2024/9/19 に 544ドルで約定 → 1株あたり約44ドル(約6000円)の利益、1ヶ月弱で取引終了

② 短期売買×移動平均線(マイクロン・テクノロジーのレンジ相場の例)

  1. デッドクロスを見てから、5日線(オレンジ線)が右下傾き→右上傾き(上昇)になったとき、またはゴールデンクロス時に成行買い → 2024/9/13 に 88ドルで約定
  2. ゴールデンクロスを見てから、5日線が右上傾き→右下傾き(下落)になったとき、またはデッドクロス時に成行売り → 2024/10/03 に 99ドルで約定
  3. 結果:1株あたり約11ドル(約1500円)の利益(前日までの上昇を取れれば約20ドル)

③ コール買い×移動平均線(メタの例)

  1. ゴールデンクロスした日にコール買い実施
  2. デッドクロスしそう or した日に反対売買

④ グランビルの法則の応用(50SMA・200SMAの組み合わせ)

200SMAがサポートラインとして機能する。200日線を下から上へ抜けるゴールデンクロスは買いシグナルとして多くのトレーダーに意識され、長期トレンドの転換点や本格的な上昇相場の開始とされることが多いため、ここで買いを狙う。


出典一覧

# 資料名 種別
1 slides_2026-06-26T14-22-11.pdf(SMA/EMA/WMA・クロスの角度①〜⑤) NotebookLM ソース
2 slides_2026-06-26T14-23-39.pdf(移動平均線のポイント・往復ビンタ・大循環分析) NotebookLM ソース
3 slides_2026-06-26T13-20-40.pdf(3・5日線/50日線・200日線) NotebookLM ソース
4 slides_2026-06-26T15-24-24.pdf(メタ/マイクロンの売買戦略) NotebookLM ソース
5 slides_2026-06-26T14-28-56.pdf(グランビルの法則の応用) NotebookLM ソース
6 slides_2026-06-26T14-31-40.pdf / 14-38-10.pdf(移動平均線×MACD/×RSI) NotebookLM ソース
7 テクニカル講座 NotebookLM ソース(Drive)
8 マネースクール文字起こし NotebookLM ソース

精度に関する注記

  • 本レッスンは上記ソースの原文に基づく。「パーフェクトオーダー」などソースに無い用語は補完せず「記載なし」とした。
  • グランビルの法則・大循環分析は本来それぞれ独立した指標(別レッスンで詳述予定)。ここでは移動平均線の応用として要点のみ掲載した。
  • 2026-07-08:差し替え後のソースで再検証。メタ/マイクロン例に具体的な価格・日付、5日/20日線の一般論、50日線・200日線の意味づけを追記。EMA/WMAは「追従性はWMA>EMA」だが「直近比重はEMA>WMA」と原文自体に大小の逆転があり、両方を忠実に併記している。
  • 実トレード前に、期間の数値・売買条件は必ず自分の原資料でも再確認すること。